宮島街道名勝旧跡

2016/03/04 広島県廿日市市

「歴史散歩」64 ~広島県廿日市市/地御前の釈迦如来坐像

地域が誇るべき 貴重で立派な秀作仏像


大歳神社前の「釈迦堂」。地御前神社(下の写真)の近くにある
 
 地御前神社は、
厳島対岸の厳島神社外宮(げくう)で、かつては海に面していた。
そのかつての海岸線である鉄道線路のほとり、
大歳神社前の旧国道に挟まれたところに、
小さなお堂があり、釈迦堂と呼ばれている。
その小さなお堂の中には、
お堂の大きさに似合わない巨大な仏様が本尊としてまつられている。
 その仏像は、
像高290cm・膝張230cmの堂々の大きさを持つ釈迦如来坐像で、
県内でも多くの例を見ない大きさの仏像である。

 
 寄木造りで金箔をはってしあげてあるが、
頭部の金箔と胴体の金箔に違いがあり、
頭部のものがより古いものと認められる。
時代的には室町中期から後期の作とみえる貴重でダイナミックな仏像で、
地域が誇るべき秀作仏像として立派なものである。

 
 江戸時代に書かれた書物「厳島図絵」によると釈迦堂は、
現在の地御前小学校のあたりに建てられており、
やはり、この仏像の大きさからすればやや小さなお堂に納められていたものと思われる。
 明治の初めの時期に起こった神仏習合の神社寺院に対する廃仏運動によって
いったん売却されたと伝えられ、苦難の流転ののちに、
地元の寄進によって現在の釈迦堂に落ち着いたという事だ。

 
 さらに時代をさかのぼれば、
神仏習合時代の厳島神社や地御前神社の関係の
大寺院にあったものではないかと想像できる。
 
【学習共同体 河浜塾 河浜一也】

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