宮島街道名勝旧跡

2016/06/22 広島市佐伯区

「歴史散歩」65 ~広島市佐伯区/田中寺の大仏

 名僧「行基」が彫ったという伝説  座高1・5m


 昨年(2015年)、改装を終えて、
きれいに整えられた佐伯区八幡東の田中寺(でんちゅうじ)。
この寺に、住職・岡部聖憲(せいけん)さんらご家族によって守られている仏像がある。
その仏像「阿弥陀如来坐像(大仏さん)」は、
奈良時代に奈良の大仏建立の資金集めに尽力した
名僧「行基」によって彫られたという伝説をもっている仏像で、
座高1・5メートルに及ぶ。

 あくまでも伝説だが、
行基が、瀬戸内海を西へ下っている時に船中より極楽寺山に光明を見つけ、
山中へ分け入ると、光る大杉を発見したというのだ。
行基はこれを伐採し、まず廿日市市極楽寺の十一面千手観音菩薩坐像(観音さん)を……、
続いて余木をもって佐伯区八幡にある正楽寺の薬師如来坐像(薬師さん)と
田中寺の大仏さんを彫ったという。

 
 さらに伝説では、
廿日市のその地に残る大杉(おおすぎ)・中伏(なかぶし)・木末(こずえ)などの地名は、
杉の大木が倒れた場所にちなんでいるという。
その、大杉地区には、その時の杉の大木の根を祀(まつ)ったと伝えられる
「杉の根神社」という祠(ほこら)が現存している。
 かつて山中のお堂に安置されていた大仏さんは、
お堂が老朽化したために田中寺に移され、
時の流れを超えて安住の地を得た。
その際、大仏の体内からは九つの小さな胎内仏が発見され、
それらも一緒に静かに安置されている。
 
【学習共同体 河浜塾 河浜一也】

※学習共同体河浜塾

 
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