宮島街道名勝旧跡

2016/08/10 広島市西区

「歴史散歩」69 ~広島市西区 海蔵寺物語(4)/石組庭園

江戸初期の古庭園として価値が高い


「海蔵寺」本堂の裏にある「石組庭園」

 広島市西区草津の海蔵寺(正確には田方一丁目)は、
多くの秘史を抱き悠久の時を超えた名刹で、
「広島郷土史研究会」発行の『軍津浦輪物語』にも縷々(るる)述べられている。
 
 前号まで3回にわたって、海蔵寺に眠る三人について書かせていただいたが、
実は他にも名の知られた方々の墓がこの地で時の流れの中にある。

 本堂も 170年の時を経た天保年間に建てられたもので、
室町時代以来の禅宗の建築様式を引き継いでいる。
 山門は、内部に梵鐘を納める形式のいわゆる鐘楼門で、
本堂よりさらに古い文政年間に建立、190年の時を経ている。

 本堂の裏には、およそ20メートル四方の庭園があるが、
これはさらに古く、330年前の江戸時代元禄年間に作庭されたものだ。
その後、大正15年の山津波で埋もれたが、
平成10年に掘り出され、いにしえの姿に復したという。

 
 庭園にはほぼ三角形の池が配されているが、
この池は底からの湧(わ)き水があり、
流れ込む滝の水が少なくなっても枯れることはない。
夏は睡蓮が表を覆い、
秋には紅葉が表に映えて、見事に季節を彩る。

 
 庭の端は山畔が急であるために
土留めを兼ねた石組(いわぐみ)が池の護岸から組まれて、景色を作っている。
 また、滝が作られた部分の滝石の組み方などには独特のものがあり、
現存する江戸初期の古庭園として価値が高い。
 
【学習共同体 河浜塾 河浜一也】

※学習共同体河浜塾

 
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