宮島街道名勝旧跡

2013/09/08 廿日市市大野町

「歴史散歩」12  廿日市市大野町/妹背の滝

雌雄の「名瀑」見事な景観は一見の価値


雌雄の名瀑「妹背の滝」はJR大野浦駅から旧山陽道を東進し、
北の谷あいへ徒歩一五分ほどのところにある。
海岸に近い大滝として、割合に訪れやすい。

この地に鎮座する大頭神社は、
厳島神社の摂社として厳島神社と同じ年に創建されたというから、
推古11年(603三年)創建、聖徳太子の頃ということになる。
後には、平清盛が社殿を再造営したという格式の高さを持っている。

妹背の滝は「芸藩通志」に「雌雄滝」という名で登場する。
大正時代になって「妹背(いもせ)の滝」と呼ばれるようになるまでは
「めおとだき」と呼ばれていた。

鳥居を通って境内を進むと、滝に近いからであろうか、湿気が肌を覆ってくる。
社殿から、川向こうの右手の山肌を見上げれば、
真っ白い絹糸をよったように細く流れ落ちる、
美しい雌滝(めんだき)が見え、あたりは霊気に満ちて幽々としている。

さらに奥に進み、朱の小さな橋を渡ると、とどろく滝音が聞こえてくる。
目の前に現れた雄滝(おんだき)は、圧倒的な水量を誇る。
轟々の滝音、濡れた岩肌に水は激しく散り、しぶきは中空を遠く飛散している。

「芸藩通志」には、雄滝を評して「其水壮なり」とあり、
「奇観幽賞、近方類まれなり」とある。
その見事な景観は一見の価値がある。

1820年には、頼山陽(らいさんよう)の叔父にあたる
頼杏坪(らいきょうへい)が、この滝を訪れている。
彼は「芸藩通志」の編者でもあった。
見事な二つの滝を目にした彼は、これを躊躇なく通志に記載したことだろう。

大野の町も整備が進み、まるで大頭神社の参道を、
まっすぐ伸ばしたかのように立派な車道が出来上がっている。


【学習共同体河浜塾 塾長 河浜一也】

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