宮島街道名勝旧跡

2017/08/30 広島県廿日市市

「歴史散歩」85 ~広島県廿日市市/観光旅館「桜尾館」

白木造り、蒸し風呂や海水浴場も


正面に中国醸造の一部。 右奥は遊園地「パラダイス」があったあたり。
     (廿日市天満宮から。 向こう側は木材港、 そして海)
 
 明治の頃、
広島の西部、草津から大竹までの地域の農閑期の人々の楽しみといえば
蒸し風呂に入ることだったと言われている。

 
 有名な蒸し風呂もいくつかあったが、
その中でも広島市佐伯区海老山東南の蒸し風呂や
廿日市市串戸・地御前・阿品にもあった。
特に、地御前にあった蒸し風呂は、
「中井の石風呂」と呼ばれ第二次世界大戦後も残り、昭和40年近くまで存在していた。

 
 ところで、廿日市の現在の中国醸造の工場として拡張されたあたりにも、
蒸し風呂をともなった大型旅館があった。
現代風に言うと「サウナ型大型観光旅館」といったところか?

 
 「桜尾館」と呼ばれるその旅館があったのは、
明治36年から大正5~6年ごろまでで、営業したのはわずかに15年間ほどではないかと思われる。
 
 施設は、大きな白木造り二階建ての建物で、潮湯・蒸し風呂、海水浴場を持っていた。
 蒸し風呂は藁(わら)や松葉を室(むろ)の中で燃やし、
その燃え残りをいったん外に出した後、熱くなった室内に海藻を敷いて入室するという方式、
簡単に言うと海藻サウナだった。

 
 建物の東側には広い海水の池があり、
いな(ボラの稚魚)が泳ぐのを見物できるようにしていたという。
末期には傷病軍人の保養施設となりその後姿を消した。

 
 その7~8年後には隣接する住吉地区に、
遊園地「パラダイス」が登場するのだが、
その「パラダイス」にも遊園地やプールのほか、蒸し風呂が備えられていたという。
 
【学習共同体 河浜塾 河浜 一也】


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